マザーテレサの言葉に、
「戦争反対の集会に は出席しません。
平和のための集会を開くのでしたら私を招待してください」
という言葉があります。 この言葉の意味の深さをここ数年実感しています。
「児童虐待防止」活動が広まれば広まるほど、
一方で、苦しむ方も増えていると感じています。
防止活動の中には良い活動も沢山ありますが、一方で取り締まる活動を増やし、
苦しんでいる方、頑張っている方をますます一人ぼっちにさせている一面があります。
また、子どもが泣く=悪いこと、と捉える風潮が社会に出来てしまい、
頑張っている方を益々不安にさせ、孤独に追いやっていると感じています。
防止をするより、支援を増やしたい。
苦しい思いを抱えている方には、体温を感じない防止よりも、
体温を感じる温かい支援を広げることの方が大切だと感じています。
「北風と太陽」の寓話に例えるなら、太陽のように。
「児童虐待」という言葉は冷たく、重いですが、
最初に感じるのは育児不安、育児困難です。
誰もが一度は抱える思いです。
育児不安・育児困難が小さなうちに、周りに支える手があるかないか。
不安や困難を抱えた時に、誰かが、電話一本で「取り締まる」のではなく、
実際に体温を持った、時間と体を使っての温かい支援があれば、
事件、事故は起こらなかった。そう後悔を感じる場面に多く直面しました。
「許せない!」という善意に基づく感情から怒りをぶつけると、
回り回って、自分にその怒りが還ってきます。
怒りは形を変え、怒りを連鎖させ、自分の一番身近な人を傷つけます。
知らず知らずの間に。
同じくマザーテレサの言葉から。
「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか」
「家に帰って家族を愛してあげてください」
自分が幸せになるためには、自分の周りのコミュニティ(家庭、地域、会社、学校など)に所属する人が幸せを感じていないと、
そこに所属する自分も幸せにはなれません。
自分から怒りを発することで、誰かがその怒りを受け取ります。
会社でパワハラにあった→家庭でパートナーにイライラをぶつけた→そのイライラを子どもにぶつけた→イライラをぶつけられた子どもが友達にぶつけた…というように、循環します。
DV(男女間の暴力)も、児童虐待も、いじめも、パワハラもセクハラも、 全ての暴力は繋がっています。
遠くの見ず知らずの見たことも会ったこともない、今、目の前にいない誰かの批判を、テレビやネット越しにする時間を、
身近な、実際に、今、目の前にいる人に感謝の言葉を伝える時間に変えたら、
それだけで社会はもっと温かいものに変わると感じています。
まずは、自分から。
誰かがやってくれるのでも、誰かにやってもらうのでもなく、自分から。
児童に関することだけではなく、高齢者、障害者、その他、困っている方全ての問題に関して。
良い人間関係を結び、幸せな人間関係を次の世代へと引き継いでもらいたい。
幸せを連鎖させるためのサポートができる活動を増やしていきたい。
自分の考え方は違う!そう感じる方もいらっしゃると思います。
経験や体験が違うので、当然です。
その思いは、ご自身の活動を通して、表現していただければ幸いです。
間口は広い方がいいし、みんながみんな、同じ活動をする必要もないので、 いろいろな支援の仕方があればいいな、と思います。
一人ひとりの思いや願い、そして命が輝ける社会でありますように!
子どもを生むまでは、いい母親になるつもりでした。
子どもを生めば、母親として、本能でなんとかなると思っていました。
しかし、現実はドラマや小説のように甘くはありませんでした。
仕事や家事や夫の看護をしているうちに心身ともに疲れ切ってしまい、
いつしか、娘に全く愛情が持てなくなっていました。
母親として当然持つべき愛情が持てない自分を責め、
なぜ愛情を持てないのか、その答えを知るために、
通信大学で教育と福祉を学びました。
そして、気が付けば、悩みを抱えた親子の相談に乗るようになっていました。
実体験と相談業務を通してわかったことは、
親になるための知識や経験のないまま親になるのと、
親になる準備が出来てから親になるのとでは、心の余裕が全然違うということです。
全ての方が子育てを楽しいと思えるような社会にするには、
親になるための学びと実践が必要です。
児童虐待のニュースが取り上げられるたびに、
「児童相談所」をはじめとする専門機関の充実や連携、
専門職の質と量の確保が議論されますが、
それだけでは児童虐待はなくなりません。
これから親になる世代に、
「適切な子育て」のやり方や「アンガーマネジメント」、
「DVをしない・されないコミュニケーション」のとり方を、
しっかりと伝えた方が効果が高いと実感しています。
産んだ我が子が初めて抱く赤ちゃん…という状態で、
「上手に子育てをしなさい」という方が無理があります。
ましてやインターネット等、仮想空間だけでは子育ての適切な方法は学べません。
「生」は「性」から始まるので、
自分と他人の「性」をどう大切に取り扱うか、大人が責任をもって、
将来親になる可能性のある子どもたちにしっかりと伝える事も大切です。
「知らなかった」と後悔することのないよう、
被害者も加害者も生まないために、
教育現場での【性・生教育】を推進しています。
事例:茨木市(「いのちの学習」として教育委員会で継続)
近年、SNSの利用をきっかけに犯罪被害にあう子どもが増加しています。警察庁によるとSNSがきっかけで犯罪の被害に遭った18歳未満の子どもは、2019年は全国で2,082人で、統計を取り始めた2008年以降最も多くなりました。
『子どもの命を他人まかせにせず、
自分たちの言葉で伝えるにはどうしたらいいだろう?』
『でも、伝え方がわからない』
そんな声からこの冊子ができました。
「知らなかった!」では済まされません。
この冊子を通して子どもの心と身体「命」が守られることを心から願っています。
※冊子詳細は画像をクリック※
NHK大阪放送局が制作してくださったドラマです。
子どもを虐待したくないのに虐待してしまう若いシングルマザー、
かつて虐待をしていた同じマンションの母親、
その、夫と娘、
同じマンションの大学生、
地域の住民…
それぞれの立場から、ドラマのセリフを通して、
自分に何が出来るかを考えさせられるドラマです。
43分のドラマを視聴したあと、
脚本を書いた安田真奈さんと、辻由起子が、
どうすれば身近な虐待を防ぐことが出来るか、
ドラマ制作にまつわる話を交えながらお話させていただきます。
★好評につき、NHKさんのご厚意により上映&講演が可能になりました★
★上映&講演のお問い合わせは「お気軽に」メールにてお願いいたします★
tsuji-yukiko@office.zaq.jp
こちらで、「やさしい花」DVDの無料貸出も始まりました!
研修や勉強会等にお使いください。
(ただし、営利目的ではなく、福祉目的の開催に限り。
入場料を取る会では、貸出ができないそうです)
どなたでもご利用できます。