2012年

3月

16日

判決が出ました

懲役30年。

2人の命が亡くなったのだから、重いのか軽いのか…私にはわかりませんが、

「予防の見地も無視できない」

とおっしゃられた裁判長の言葉には納得です。

 

様々な記事が出ていますが、最後に裁判長のおっしゃられたことに、

私は救いが持てました。

 

毎日新聞さんより引用します。

 

『一方で西田裁判長は、周囲の援助を受けていなかった下村被告の境遇に

 

「仕事と育児に限界を覚え、孤立感を強めており、同情の余地がある」

 

と一定の理解を示した。

 

そして最後に

 

「このような被害者が二度と出ないよう、社会全般が児童虐待の防止にいっそう努め、

子育てに苦しむ親に協力することを願う」

 

と言及した。』

 

更に、産経新聞さんの記事、

 

『「彼女は凶悪犯ではない。もう少し救いを求めていれば、

社会も助けてくれたのではないか」。

 

こう話したのは、30代の女性裁判員。

別の裁判員も

 

「何かが一つ変わっていれば、ここまでなることはなかった」

 

と述べ、シングルマザーとして2人の子育てに悩んでいた下村被告の境遇をおもんぱかった。』

 

私も傍聴を通して、単純に、

「若いシングルマザーが自分の欲求を優先させた」では済まされない問題だと思いました。

 

そして裁判長の言葉で、安心した、というか、わかってくれていたんだ…と救われた言葉が、

 

「事件が起こった最初の原因は、離婚の時の、子どもらのことを考えていない話合いだった」

 

でした。

その通りです!!

 

後から口では「愛していた」「宝物だった」「目の中に入れても痛くない」と言えますが、

本当に子どもたちのことを愛しているなら、

養育費の話はどこかのタイミングで確実に出るはずです。

(被告人の借金も離婚の原因の一つなので、被告人にお金がないことは了解済みでした)

 

そして、被告人は子どもに会ってもらうことを望んで連絡をしたのに、

その願いを断り、離婚後一度も子どもと会わなかった夫にも、深く反省して欲しいです。

 

子どもたちにとっては、変わらず父親です。

親権のある母親が会わせたくない…と言っているなら仕方ありませんが、

むしろ、会って欲しいと願っていたのに会わないのは、

子どもたちの存在さえも無視した育児放棄ではないでしょうか?

親権がなかったら許されるのでしょうか?

疑問を感じます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

週刊ポストに掲載されていた「杉山春」さんの記事を引用します。

 

『公判で弁護士は「社会的経験、収入、生活の場が不安定な早苗さんに子供が委ねられたのは無謀ではないか」と言った。私も同じ印象をもつ。』

 

『私は1年程前、大阪府警本部の接見室で早苗さんに会った。~中略~

「なぜ、会ってくれたのですか」そう尋ねる私に早苗さんはおっとりと答えた。

「子供たちの仏前にお菓子を供えてくださったと手紙にあったからです」

それは我が子が受けた親切に丁寧に礼をいう、母親の物腰そのものだった。』

 

『東京の高校で一人暮らしをしていた早苗さんは父親を思いやって手紙を書く。~中略~

<私の夢は、いいおかあさんになることです。世界一温かな家族にすることです>』

 

幼い頃に両親が離婚し、虐待を受けて育ち、温かな家庭を知らずに育った彼女には、

温かな家族が何かがわからなかったのでしょう…。

 

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彼女は何度もSOSを出したのに、現実の支援が全くなかったことが、

彼女を追い詰めた一番大きな要因だと思います。

 

SOSを出した時に、すぐに誰かが彼女の元に駆けつけていたら、

事件は起きなかったかもしれません。

 

誰も彼女の元に足を運んでいなかったから、

放置することとなってしまいました。

 

今回の裁判傍聴を通して、苦しんでいる人がSOSを出した時に、

心をこめてキャッチできる人間でありたいと痛感しました。

 

一人ひとりが少しずつ歩み寄れたら…もう少し生きやすい社会に変わると信じています。

彼女と同じような苦しみを、もう誰にも抱えて欲しくないです。

 

最後に、記者さんとの会話で出た言葉で、傍聴記を終わりたいと思います。

 

「彼女が30年後に社会に出てきた時に、社会は何も変わっていませんでした…ではダメなんです。

大きな宿題を出された気分です」

コメント: 10 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    よし (金曜日, 16 3月 2012 22:34)

     こんばんは。僕も、裁判長や裁判員の方のコメントをみて救われました。このような形での問題提起となったことで、桜子ちゃんと楓くんの死が無駄にならなかったのかなとも。 あまりにつらい亡くなり方なので、勝手な解釈で自分を納得させている部分もあるのですが。 「杉山春」さんは今回の事件に関して、一貫して「下村早苗さん」とさん付けでコメントしていますね。 虐待事件を起こすのは普通の人とは全く違う人種の人ではなく、一般の人間である、という辻さんの記述と同じ考えに基づいてそうしているのかなと解釈しています。  この事件を教訓に、虐待防止の社会的な仕組みがより整ってほしいですね。辻さんの活動を陰ながら応援していますし、虐待防止への取り組み姿勢を、今後の選挙の時の投票判断の1つの要素にしていこうと思います。

  • #2

    藤森 (金曜日, 16 3月 2012 22:58)

    本当にそうなんだと思います。

    彼女を支えられなかったことを、これから変えていかなくてはならないということですよね。

    まずは父親をかえないといけないですね。子どもたちのためにも。

  • #3

    miyu (金曜日, 16 3月 2012 23:49)

    こんばんは。お久しぶりです!

    傍聴記から読ませていただきました。
    ただ起きた事実だけを追いかければ
    「シングルマザーが子育てより自分の欲求を優先させた」
    という部分しか見えてこない事件ですが,詳しい事実を知り,
    また改めて考えさせられました。ありがとうございます。
    (関東では新聞報道もすごく少ない印象です。テレビはあまり見ないので
    わかりませんが…。)

    >今回の裁判傍聴を通して、苦しんでいる人がSOSを出した時に、

    >心をこめてキャッチできる人間でありたいと痛感しました。


    同感です。
    でもすぐいっぱいいっぱいになって,まだまだSOS出したくなる側の自分なのですが,いつかは…と思います。


  • #4

    tsuji-yukiko (土曜日, 17 3月 2012 08:29)

    >よしさん

    ありがとうございます!!
    乳幼児2人を一人で育てることがどれだけ大変なことか…。
    彼女は離婚をするまではとても良い母親で(家族の証言にもあります)、
    離婚をして、たった一年で、事件に至りました。
    今の社会は、「母親の愛」だけで子どもが育つ環境ではありません。実際にお金もかかるし、時給での仕事は休む=生活が破綻することです。

    杉山春さんのレポートは、友達のコメントなんかも載っているのですが、
    ごくごく普通の、少女だったのに…と切なくなります。

    今回の事件は夫婦問題から始まっているので、安易な結婚・出産をせず、幸せになって欲しいです。全ての方に。



  • #5

    tsuji-yukiko (土曜日, 17 3月 2012 08:35)

    藤森さん

    ありがとうございます!
    母親が子どもの面倒を見るのは当たり前、という感覚が、
    かつては通用したでしょうが、母親も働いている今の社会では通用しないので、
    知らず知らずに当たり前と思っていることを、
    そうじゃないんだよ~と、無理なく自然に変えていけたらなぁと思います。

  • #6

    tsuji-yukiko (土曜日, 17 3月 2012 08:42)

    >miyuさん

    miyuさん、いつもありがとうございます。
    miyuさんのように、出来ることを、出来る範囲でやっていることが、
    一番無理なく、自然と広まることだと思っています。
    東京でお会いできるのを楽しみにしています!

  • #7

    さて、 (火曜日, 20 3月 2012 00:40)

    離婚後に元夫や児童相談所の介入を
    被告が拒否してたわけですが、
    それも周囲のせいなのですか?

    結婚当時から夫やその親に育児を押しつけつつ
    被告自身は男遊びに耽っていたわけですが、
    それも周囲の援助がないからなのですか?

    また、被告自身がどんな境遇であれ、
    殺された子供二人にとっては
    殺される理由にならないのですが、
    そのあたりについてはどうお考えでしょうか。

    養育費についても、被告の浪費癖や
    消費者金融からの借金の存在で
    「養育費」として使ってもらえない事を
    危惧した夫があえて渡さなかったという
    夫のコメントが報道されているわけですが、
    その判断は間違いなのでしょうか。

    離婚後、被告は風俗嬢としての稼ぎを
    家計に入れず、新たな交際相手に使っていたのですが、
    それも周囲の援助がなかったせいでしょうか。

  • #8

    tsuji-yukiko (火曜日, 20 3月 2012 08:52)

    >さて、さん

    コメント、ありがとうございます!
    皆さんが疑問に思っていらっしゃるところのご指摘、ありがとうございます。

    一点ずつ答えさせていただきます。

    離婚後の拒否を彼女はしていませんでした。
    むしろ、連絡を取っていましたが、逆に拒否されていました。

    それは、検察も認めていますし、区役所の記録も残っています。
    区役所は児童相談所へ回し、児童相談所に彼女は連絡を取りましたが、
    「一度来てください」と言われて、「助けてくれていない」と感じて行けていません。

    大阪でも、児相に電話をかけていますが、休日で男性が電話に出たので、
    彼女は電話を切っています。

    誰も深刻な状況での電話と捉えていなかったことが、今回の反省点かと思われます。

    結婚当初の浮気については、心理鑑定の西澤先生が解説してくださっています。私の過去ブログに詳しく載せています。
    30年虐待の臨床をされている専門家の判断なので、
    私がそれに対して意見を挟むことは失礼かと思いますので避けます。

    ただ、私の傍聴を聞いての感想は、私の元夫が解離性同一性障害で、
    彼女と全く同じ行動パターンをとっていたので、
    人格解離が起こった時に何が起こるか、ということを実体験でよくわかっています。
    だから、西澤先生のおっしゃることが、身にしみてわかります。

    しかし私も、元夫で経験したことがなければ、
    彼女はただの怠け者で、わがままで、性格が悪い、
    と、判断していたと思います。
    実際、高校生までの私は、そんな裁判を見るたびに、
    「嘘つきは社会悪」「人を殺したら死刑でいい」と思っていました。

    だから、さて、さんのおっしゃることがよくわかります。
    そのお考え、ごもっともですし、実際に、解離性障害の方のケアを24時間体験しないと理解してもらえないと思います。

    さて、さんは、さて、さんのお考えの通り、社会に対して働きかけていただいたらと思います。
    感じていらっしゃること、間違っていないです。

    ただ、私は私の体験を通しての考えがあるので、
    彼女の生まれ育った環境と体験が過酷なので、
    そして、同じような環境の中で苦しんでいる方の相談を受けている立場として、
    彼女一人を責めてもなんの解決にもならない、と思っています。

    2人の命が奪われたことに対しては、被告を擁護する気は全くありませんし、
    刑罰を受けるのは当然です。
    ただ、それで終わり、と、社会に安心して欲しくなくて、
    今回、傍聴記を書きました。

    彼女のような境遇の方が声をあげられなくなって、
    同じ様な事件が起きるのを防ぎたいからです。

    もちろん、同じ境遇でも頑張っていらっしゃる方もいます。
    だから余計に、「個人の問題」とされがちですが、
    実際に個人では解決できないところで頑張っている方も沢山いらっしゃるので、
    その方たちがSOSを発信しやすい社会環境であって欲しいと願っています。

    養育費については、これも過去ブログに書かせていただいていますが、
    彼女が浪費癖、借金があって、お金がないことを知りながら、
    子ども2人を彼女に任せたことに問題があると思っています。
    そもそも、「夫婦問題」と「親子関係」を同じ土俵で考えていることに、
    無意識のネグレクトがあると思っています。

    後ではなんとでも口では言えますが、
    現実に、夫側はお金を一円も子どもたちのために渡していないし、
    子どもたちに会って欲しいと頼まれても一度も会っていないし、
    楓ちゃんの初めての誕生日は、メールさえなかったそうなので、
    「自分たちはなかったことにされた」と彼女は感じています。

    「彼女をこらしめるために渡さなかった」と、言っていましたが、
    彼女をこらしめることと、子どもを無視することは、
    全く別次元で考えなければいけないことで、
    養育費を渡さなくてもいい、という判断が社会に拡がることを懸念します。

    裁判長の言葉「事件が起こった最初の原因は、離婚の時の、子どもらのことを考えていない話合いだった」が、この事件のポイントだと思っています。

    夫は彼女が浪費癖があって、逃避癖のある彼女と知っていたので、
    子どもを育てられないことくらい容易にわかるだろうし、
    後で文句を言うなら、なぜ、自分が引き取り、行動をしなかったのだろう…と疑問で仕方ありません。

    なので、>危惧した夫があえて渡さなかった、というのは、
    それ以前に、子どもに対する思いと、彼女に対する思いは別次元だ、
    ということがわかっていない考えだな、と思います。

    子どもは間違いなく、2人の子どもなので。

    最後の疑問は、西澤先生の鑑定結果にゆだねます。

    長くなりましたが…
    彼女が刑罰を受けるのを擁護するつもりはありません。

    ただ、彼女一人の問題にすると、
    子どものことを考えない話合いや、
    後から「やった」「やらない」の言い争い(裁判は終始その状態でした)
    はとても無益だと感じたので、
    実際に日々起こる虐待事件を防ぐために、
    社会構造を変えて防げるのなら、彼女のことを議論するエネルギーを、そちらの方に使っていけたらなぁと思っています。

    うまく答えになっていないかもしれませんが…
    考えてくださってありがとうございます。

    そのことから、何か良いアイデアが生まれると思いますので、感謝です。

  • #9

    小泉美すず (火曜日, 03 4月 2012 12:17)

    こんにちは。
    この事件についての詳細を検索してたどりつきました。

    事件がおきた去年から、この事件のことが頭から離れず、
    報道や世間の評価にどうも不自然さを感じていました。
    下村早苗さんを異常な悪人、堕落しきった人間であるとして、
    「特殊な事件」として扱い、
    彼女ひとりを断罪することで処理してしまうことに、
    とても憤りを感じていました。
    また、うがった目線ではない裁判の子細がほとんど公にされていないことも。

    私は2歳の子をもつ母親ですが、
    次々と発覚し、今もどこかでおきている子への虐待を思うたび、
    「人ごとではない」と思います。
    私はたまたま周囲に恵まれており、事件を起こさずにいられるだけだと。
    そして、いつどこでも、今自分の隣の家で起こっていることかも知れず、
    子どもを守る義務があるのは母親だけでなく、隣の家の人、取り巻く社会なのだと、
    強く思います。
    子どもは親だけでなく、大人みんなで育てるものであると、
    子を持たない人こそが認識し子どもを見守っていくことが、
    何より重要なことではないでしょうか。

  • #10

    tsuji-yukiko (金曜日, 13 4月 2012 00:09)

    >小泉美すずさん

    読んでくださってありがとうございます!

    >子どもは親だけでなく、大人みんなで育てるものであると、
    子を持たない人こそが認識し子どもを見守っていくことが、
    何より重要なことではないでしょうか

    同意見です。

    どこにも繋がりがなく、「点」で子育てをしている方を、
    どう支援していくか…そして、彼女のように、
    夜、働いている方にどう支援していくかを社会全体で考えていきたいです。

    これから子どもを産み・育てる世代への、
    親となるための教育の必要性も感じています。

    事件が起こってから後悔はしたくないので、
    日々、出来ることを考えています。

    関心を持つことから始まると思っていますので、
    考えてくださってありがとうございます!

娘に親として、人間として成長させてもらいました。心の底から「ありがとう」と感謝しています。

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